無料のゲーム開発ツール「ウディタ(WOLF RPGエディター)」の基本的な使い方を、初心者さん向けに紹介するこの企画。
今回は前回の内容「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方」から少しステップアップして、カウンターなど障害物(マップチップ)の向こう側に人を配置し、その人に声をかけたら返事をしてもらうイベントを作ってみます。
現在公開中の講座をまとめたページ。「ウディタのことがよくわからない」「簡単な機能から覚えたい」などの初心者さんは、初期の講座から読むのがおすすめです。
公式サイトにはウディタの使い方を詳しく解説している、マニュアルやガイドが公開されています。ウディタを学ぶ際の必須となる教科書です。ぜひ参考にしましょう。
目次
カウンター越しに相手と会話するイベント作成の手順
- イベントで人を配置
- イベントコマンドの入力
- テストプレイで確認
この流れで作業します。
マップは過去講座で作ったものを使いまわします。マップがまだ無ければ、適当に作っておきましょう。
人を障害物の向こう側に配置する
まずカウンター越しにイベントを置いて、人物のグラフィックを決めます。
以下のマップなら、樽に挟まれたスペースに配置するのが良さそうですね。
イベント画面を表示。管理しやすくするため、イベント名を「店員さん」にしてみました。
イベントの配置方法については、前回記事「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方」の人の配置と全く同じです。「よくわからない」「忘れた」という人は、前回記事を参考にしてください。
話しかけたら返事をするイベントコマンドを作る
カウンター越しに店員さんへ話しかけたら、「いらっしゃいませ。」と返事をしてくれるイベントにしてみましょう。
イベント画面右側のスペースに、イベントコマンドを作ります。
「■の行をダブルクリック」、
もしくは「コマンド入力ウィンドウ表示」ボタンをクリックします。
イベントコマンドの専用画面が出たら、「1 文章の表示」を選んで、店員さんに返事してほしい文字を打ち込みましょう。
打ち込んだら、入力ボタンをクリック。これでイベントコマンドの設定は完了です。
Enterキーを押すと返事してもらえるよう、イベントの起動条件を「決定キーで実行」に設定。
テストプレイしてみましょう!
テストプレイのために主人公キャラの初期位置をこのマップにする場合、「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方 – 主人公キャラを自作マップ上で操作できるようにする」を参考に、作業してみてください。
カウンター越しに決定キー(Enter)を押して、話しかけてみます。すると「いらっしゃいませ。」と喋ってくれました。
成功ですね。
障害物越しにイベントコマンドを実行しない場合もある
とても簡単なイベントの作り方でしたけど、場合によってはうまくイベントコマンドが実行されず、躓いてしまう人が出てくるかもしれません。
以下の原因で発生する可能性があります。覚えておくと便利です。
先程の例では、主人公キャラと店員さんとの間に、「カウンターの障害物(マップチップ)」が存在しました。
主人公キャラがイベント(店員さん)と接触していない状態です。それでも会話のイベントコマンドが発生しました。
「ウディタの仕様ってこんなものなのかな」と思いますよね?
ところがです。マップに貼りつけるマップチップ(画像)によっては、会話イベントが実行されないこともあるんです。
実験として、壁っぽいマップチップを店員さんの前に置いてみます。
この状態で障害物越しに決定キー(Enter)を押しても、「いらっしゃいませ。」と言ってくれません。
どうしてなんでしょう??
「カウンター属性設定」の有効or無効が原因
これは、マップチップの「タイルセット設定」に違いがあるからです。
エディターのアイコンメニューから「タイルセット設定画面」を開くと、「カウンター属性設定」という項目が見つかります。
「カウンター属性設定」のボタンを押すと、右側の各マップチップに四角いアイコンがあらわれる。
カウンター属性設定における「各マップチップの四角いアイコン」の意味は、以下のとおり。
- □の記号のマップチップ:カウンター属性設定ON
- 小さな□のマップチップ:カウンター属性設定OFF
ここで各マップチップ越しにイベントコマンドを実行するのかしないのか、細かくルールを決められるんですね。カウンター属性設定がONなら実行可能、OFFなら実行されません。
各マップチップをクリックすることで、属性のON・OFFを切り替え可能です。
しかし、属性変更はデメリットもあるので要注意。同じタイルセットを使用しているすべてのマップに、カウンター属性設定の変更が反映されてしまうからです。
バグの原因になりかねないため、むやみにいじらないのがおすすめ。
ウディタ初心者さんの場合、この辺りの仕組みは難しくてよくわからないと思います。
マップとイベントを作ってみて、障害物越しに話しかけられないようならマップチップを変えるのが一番良い対処法だと思います。
障害物越しに会話イベントを作るコツ
カウンター設定がOFFの障害物(マップチップ)越しでも、話しかけられるイベントを作ること自体は可能です。
通常、主人公キャラとイベントで配置したキャラが接触状態のときに、決定キー(Enter)押せば返事をしてくれます。
ですが、間にカウンター属性設定がOFFの障害物(マップチップ)があると、決定キー(Enter)を押しても実行されません。
この問題をクリアするには、間にあるマップチップの上にイベントをもう1つ配置します。
このイベントに、「いらっしゃいませ。」とコマンドを入力。起動条件を「決定キーで実行」にしておきます。
作業が終わったら、テストプレイ開始。
違和感なく、店員さんが返事をしてくれました。
ちょっと不思議な光景かもしれませんが、ウディタでゲームを作るときにはこのように頭をひねってイベントを作るのがコツなんですね。
カラクリを仕込んでいるみたいな感覚です。
少しややこしくて、最初の頃はなかなか慣れないかもしれません。簡単なイベントを作りながら、少しずつコツを覚えましょう。
次回の講座は?
やさしいウディタ講座3はここまで。
次回「やさしいウディタ講座4:操作キャラを別マップへ移動させる」では、主人公キャラを1つ目のマップから2つ目のマップへ移動させるイベントを作ります。
※全講座の目次ページはコチラ。