無料のゲーム開発ツール「ウディタ(WOLF RPGエディター)」の基本的な使い方を、初心者さん向けに紹介するこの企画。
今回はサウンド(音楽)について解説。ウディタで作ったゲームに音楽を流せば、雰囲気をぐっと高められるはずです!
現在公開中の講座をまとめたページ。「ウディタのことがよくわからない」「簡単な機能から覚えたい」などの初心者さんは、初期の講座から読むのがおすすめです。
公式サイトにはウディタの使い方を詳しく解説している、マニュアルやガイドが公開されています。ウディタを学ぶ際の必須となる教科書です。ぜひ参考にしましょう。
目次
ウディタのゲーム内で音楽を鳴らすには?
Dataフォルダに入れた音楽ファイルを使う
ウディタの「Dataフォルダ」内に格納した、「音楽ファイル」を指定すれば可能です。
音楽ファイルの保管場所はDataフォルダ内ならどこでも構いませんけど、「BGMフォルダ」と「SEフォルダ」が元々用意されています。これらの中に音楽ファイルを入れて管理するのが良いでしょう。
ウディタで使用可能な音楽ファイル
- mid(BGMのみ使用可)
- mp3
- ogg
- wav
以上の4種類。ウディタの公式マニュアルに詳しく記載されていますので、そちらを参考にしてください。
開発中のゲームに音楽ファイルを読み込む方法
主に以下の2種類の方法で、音楽を指定します。
- 直接ファイルの場所を指定して読込。
- 「システムデータベース」に登録したファイルを使用。
よく使う音楽ファイルについては、システムデータベースに登録してから使うのがおすすめ。修正のためにいちいちサウンドのコマンドを探して編集せずに済みます。管理の手間を省いてくれるのがメリット。
サウンドの種類と意味
システムデータベースの登録画面、もしくはイベントコマンド画面の「C サウンド」でよく見かける、音楽関連の言葉の意味について簡単に解説します。
BGM
バックグラウンドミュージックのこと。町やお城、フィールド、戦闘シーン、オープニングやエンディングなどで流れる楽曲を意味する言葉です。ゲームの雰囲気を盛り上げてくれる重要な存在。
BGS
効果音・環境音などの内、ループするような音のこと。
- 雨がしとしと降り続ける。
- 風がピューピュー吹き続ける。
- 会場内は人で埋め尽くされ、ザワザワとした声が響いて止まない。
- ウーウーとサイレンが鳴り響いている。
鳴り止むまで、一定のペースでループするのが特徴。
SE
サウンドエフェクト。ごく短い効果音・環境音のこと。ループはしません。
「ガチャッ」「ポチャッ」「ビシッ」「バーン!」「チリンチリン」…など。
ゲームでおなじみの効果音ですね。武器を振ったり、ドアを開けたりするときの音をイメージするとわかりやすいです。
音楽ファイルはどこにあるの?
ウディタに同梱されています。
場所は、サンプルゲームのDataフォルダの中。「BGMフォルダ」と「SEフォルダ」の中に、サンプルの音楽ファイルがたくさん入っています。
とりあえずこれを使ってみましょう。
「空データ基本システム入りData」や「完全初期状態Data」の場合、Dataフォルダ内に音楽ファイルがほとんど入っていません。サンプルゲームのDataフォルダに入っている音楽ファイルをコピーし、同名のフォルダ内に貼り付けて使ってみてください。
マップの曲を設定する
例として、町マップにBGMを流してみます。よく使うBGMになりそうなので、システムデータベースに登録してみましょう。
BGSについても登録する場所が違うだけで、BGMとほぼ似たようなやり方で設定できます。
システムデータベースに登録
エディターのアイコンメニューから「システムデータベース」をクリック。
タイプから「1:BGMリスト」を選択。当講座ではサンプルゲームのDataを使いまわしています。既にいくつかのBGMが登録済みですが、ここに新しいデータを追加してみましょう。
データの空いている行にカーソルを合わせ、IDのスペースに好きな名前を入力。ファイル名の「File」ボタンをクリックし、使用したい音楽ファイルを読み込みます。
「再生音量」は、ゲームで流れる曲の音の大きさを調整する場所。
再生周波数とループ開始位置という項目もありますけど、マニアックな上級者向けの設定なので、特に問題なさそうならサンプルゲームの設定をそのまま真似すれば良いと思います。
終わったら画面下のOKボタンを押し、内容を保存しましょう。
マップの基本設定で読込
次に、先程登録したBGMをマップに登録します。
エディターで曲を流したいマップを開いた状態にし、アイコンメニューから「マップの基本設定」をクリック。
「登録先(システムDBタイプ0)」の部分にある「登録する」をチェックし、下の各項目をアクティブ状態に変えます。
「再生するBGM」の項目で「使用する」にチェック。ファイルのプルダウンメニューを開き、システムデータベースに登録したデータを設定すれば完了。
BGSを流したい場合は、「再生するBGS」の項目で設定してください。
最後に画面下のOKを押して、内容を保存します。
テストプレイでBGMを設定したマップへ訪れてみてください。登録した曲が流れていれば成功です!
直接音楽ファイルを読み込むには?
システムデータベースに登録していない、音楽ファイルを使いたい場合のやり方です。
マップの基本設定の画面で、「再生するBGM(もしくはBGS)」の項目にある「ファイル名指定」のボックスにチェックを入れます。
プルダウンメニューの欄が変化したら、「File」ボタンをクリックして使いたい音楽ファイルを指定しましょう。
好きなタイミングに音楽を再生する
イベントコマンドの「サウンド」を使おう
イベントコマンドで音楽を鳴らす方法です。マップイベントもしくはコモンイベントの画面で、イベントコマンド画面を開きます。
イベントコマンド一覧から「C サウンド」を選択。
画面右側で鳴らしたい音楽ファイルを設定しましょう。「実行する処理」の項目については、基本的に「通常再生」で良いみたいです。
「音声の指定方法」で、音楽ファイルの読込方法を選べます。
「ファイル名で指定」は、ウディタのDataフォルダ内から直接音楽ファイルを読み込む方法。
「システムDBから直接選択」は、システムデータベースに登録済みの音楽データを指定して使う方法。よく使う曲の場合、この方法が一番おすすめ。
「システムDBから変数で指定」は、システムデータベースに登録した音楽データの場所を示す変数を使い、呼び出す方法です。上級者向けの設定かと思います。
後は状況に応じて、各項目の値を設定しましょう。「フェード時間」の部分に値を入れると、徐々に音が大きくなるような音楽の再生が可能。フレームの値が大きいほど、その変化が大きくなります。
設定が終わったら、画面下部の入力ボタンをクリック。
コマンド欄に反映されていれば大丈夫。テストプレイで該当のイベントを実行し、確かめてみましょう。
ちなみに、選択肢コマンドとサウンドコマンドを組み合わせて作ったのが以下のイベント。ゲーム内で聴けるお手軽BGM集みたいな感じですね。
こんな具合に、サウンドコマンドを自由に使いこなしてみてください!
流れている音楽を止める方法
マップで流れているBGMなど、現在使用中の曲を止めて無音にしたい場面もありますよね?
イベントコマンドの「C サウンド」で実現可能です。
BGM・BGS・SEの中から止めたい項目にチェックを入れ、プルダウンメニューから「(停止)」を選んで入力ボタンを押すだけ。
このコマンドが実行されたタイミングで、曲がピタッと鳴り止みます。
今回の講座で終了!今後のウディタ記事について
やさしいウディタ講座35はここまで。
以前から報告していましたが、今回の35をもって「やさしいウディタ講座」は一旦終了とします。
全35回の講座だけでは語り尽くせないほど、ウディタには他にもたくさんの機能が用意されています。ただ、ゲーム開発でよく使う基本機能については、講座内でほぼ語れたかなと思っています。
「初心者さん向け」をコンセプトにはじめた、やさしいウディタ講座。
今回の35回までついてこられた人は、既に初心者レベルを脱しているでしょう。
「データベースから値を受け取る」「変数の中身を特殊文字で画面に表示する」「コモンイベントの値を渡す、もしくは別イベントから値を受け取る」…など、中級者以上のレベルでないと理解できない部分ですしね。
ここまでできたなら、ウディタの仕組みについてかなり知識がついているはず。
後は自分で調べて、実験して、オリジナルゲームを完成させてみましょう。
…今後の予定ですが、やさしいウディタ講座の補足とか、ウディタの気になった点についてなど、何か思いついたときに軽く記事にまとめて、たまに投稿する感じになりそうです。
ここまで読んでくださった読者さんに感謝!これからも一緒に、ウディタをいっぱい楽しみましょう~!
※全講座の目次ページはコチラ。