無料のゲーム開発ツール「ウディタ(WOLF RPGエディター)」の基本的な使い方を、初心者さん向けに紹介するこの企画。
今回は、前回「やさしいウディタ講座27:ゲーム画面に好きな画像を表示する」の続きです。
ウディタのイベントコマンド「ピクチャ」を使い、画像を表示したのが前回の内容。ごく基本の内容でしたが、今回はもう少し付け加えて、ピクチャでできる他の設定についても軽く紹介します。
現在公開中の講座をまとめたページ。「ウディタのことがよくわからない」「簡単な機能から覚えたい」などの初心者さんは、初期の講座から読むのがおすすめです。
公式サイトにはウディタの使い方を詳しく解説している、マニュアルやガイドが公開されています。ウディタを学ぶ際の必須となる教科書です。ぜひ参考にしましょう。
目次
ウディタのピクチャ番号と表示順の関係
ゲーム画面に表示したい画像ファイルはピクチャ番号に割り振って登録するのがウディタの基本ですが、この番号には意味があります。
まず、ピクチャ番号が大きいほど、上に表示されること。
例えば、1001番と1002番の画像を同時表示させる場合。お互いの画像に重なる部分があるなら、数字の小さな1001番に、数字の大きな1002番の画像が覆いかぶさって表示されるんです。
次に、特定のピクチャ番号以上、もしくは以下のときの表示扱いについて。
「ウディタの公式マニュアル」に詳しく書かれているとおり。以下のルールが設定されています。
- ピクチャ番号100000(10万)未満なら文章や選択肢の下に表示
- ピクチャ番号が100000(10万)以上なら文章や選択肢の上に表示
- ピクチャ番号が-1~-99999なら、マップの上、かつ、イベントの下に表示(★属性などの一部チップはピクチャの上に表示されます)
- ピクチャ番号が-10万以下なら、マップの下、かつ、遠景の上に表示
- 1:遠景
- 2:ピクチャ番号「-100000」
- 3:ピクチャ番号「-1」
- 4:ピクチャ番号「1」
- 5:ピクチャ番号「100000」
背景画像を表示させる「遠景」
画面の最も奥に表示される背景画像です。システムデータベースの「13:遠景画像」でID名を決め、表示させる画像ファイルを登録します。
画像ファイルは、ウディタのDataフォルダ内に入れたものから選びましょう(Pictureフォルダなど)。
続いて遠景を表示させたいマップで、「マップの基本設定」を開きます。
登録先の「登録する」にチェックを入れて編集をアクティブ状態にした後、遠景の「使用する」をチェック。
ファイルの部分に、先程システムデータベースに登録した「13:遠景画像」のIDを指定すれば表示できます。
ピクチャ番号の指定で画像の移動・消去などを実行
画像はピクチャ番号に登録済み
画像を表示するには、最初に「ピクチャ表示」のボタンが凹んだ状態にし、表示させたい画像ファイルをピクチャ番号に登録します。その登録した画像を移動、消去などさせたいときに使うのが、ピクチャ表示ボタンの隣に並ぶボタンです。
これらのボタンを使用する場合、「表示タイプ」や「ファイル読込」の部分で、改めて画像ファイルを読み込む必要はありません。
画像はすでにピクチャ番号に登録されています。ピクチャ番号を指定するだけでその画像に対し、実行内容を決めることが可能です。
但し、「消去」を実行した後は、ピクチャ番号に登録した画像が消滅します。再び同じ画像を使いたい場合、ピクチャ表示の作業が必要です。
何度も同じ画像を表示・非表示させる便利な方法
「不透明度」の設定が使えます。
ピクチャ番号に登録した画像を非表示にする場合、不透明度を「0」にすればゲーム画面に画像が表示されていてもプレイヤーには見えません。表示したくなったら不透明度の数値を上げるだけです。
気をつけたいのが、大量の画像にこれをやるとパソコンのメモリ容量を圧迫すること。頻繁に使用する画像に絞り、不透明度を活用した表示・非表示を使うのがおすすめです。
【画像はメモリから直接読み込んだ方が速い】
画像ファイルをHDDやSSDから直接読み込むよりも、一旦メモリに画像データを記録し、そのメモリからデータを読み込んだ方がゲーム画面に高速で表示されます。
ウディタのピクチャ番号に画像を登録する作業は、メモリに画像データを記録する作業でもあるんですね。
しかし、メモリはHDDやSSDよりも記録できる容量が極端に少ないです。なので、不要な画像(特にファイルサイズの大きな画像)はその都度消去し、メモリを開放してあげる必要があります。
座標の相対モードで画像を動かす
座標部分に「相対モード」というチェック項目があります。
ここにチェックを入れると、画像が現在表示されている場所を起点に、X(横軸)とY(縦軸)に入れた座標の場所へ、画像を動かせます。
コマンドで止めなければ、ずっと相対モードの方向へ画像を移動させることも可能です。
以下のリンクに、相対モードで画像を動かしているサンプルのgif動画を掲載しています。参考にどうぞ。
画像をグルグル回転させてみる
「位置」で決めた部分を起点に、画像の角度調整が可能。傾けたい「角度」を数値で設定するだけ。
ぐるっと1回転させるには、同じ画像のピクチャ番号で、それぞれ0度→90度(900)→180度(1800)→270度(2700)を指定して、コマンド入力すれば良いってことです。
コマンドを実行すれば、止めるまでずっとグルグル回ってくれます。
画像に色をつけよう
画像に好きな色をつけられます。「カラー」の部分に数値を入力。
左から赤・緑・青の順です。数値で互いの色を混ぜながら、好みの色に設定します。
数値の変化に応じてカラー設定の背景色が変化。調整の目安に利用しましょう。
画像をゆっくりと表示・非表示に
「処理時間」でコントロールします。
入力したフレームの数値分、ぼんやりと画像が表示されたり消去されたりなどの演出が可能。
回想シーンや夢を見ている最中のイベントなどに使えそうですね!
画像表示を遅らせる
「発動ディレイ」で待機時間を決めます。ディレイの数値分だけ、画像の表示タイミングを遅らせるというもの。
ワンテンポ表示を遅らせたいときに便利です。
次回の講座は?
やさしいウディタ講座28はここまで。
前回の講座27、そして今回の講座28で紹介したもの以外にも、ピクチャで行える機能はあります。
後はウディタの公式マニュアルを読んだり、エディターをいじくったりして、できる機能を理解すれば良いと思います。すべて覚えなくてもゲームは作れるので大丈夫!必要に応じてピクチャの使い方を模索してみてください。
次回「やさしいウディタ講座29:超簡単に自作ゲームのタイトル画面を作成」では、コマンド入力の手間をできるだけ省いた、タイトル画面の作り方について解説します。
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