無料のゲーム開発ツール「ウディタ(WOLF RPGエディター)」の基本的な使い方を、初心者さん向けに紹介するこの企画。
前回の記事では、ウディタの入手からDataの使い方まで解説しました。「ウディタに興味を持った」「これから使ってみたい」という人は、まず前回公開した以下の記事から読んでみてください。
>>【関連記事】:無料で使えるRPG開発ツール!ウディタの始めかた
今回はウディタのエディターを起動し、ゲームの設定を少し変えた後、マップを作るまでを解説するつもりです。
ウディタに元々入っている、サンプルゲームのDataを使用します。ただし、サンプルゲームのイベントなどはそのままにしていじりません。参考程度にイベントの中身をチラ見したいときなどで、サンプルゲーム部分を活用してください。
現在公開中の講座をまとめたページ。「ウディタのことがよくわからない」「簡単な機能から覚えたい」などの初心者さんは、初期の講座から読むのがおすすめです。
公式サイトにはウディタの使い方を詳しく解説している、マニュアルやガイドが公開されています。ウディタを学ぶ際の必須となる教科書です。ぜひ参考にしましょう。
目次
複雑な設定を単純なものに変える
サンプルゲームの設定のままでも良いんですが、半歩移動や斜め移動など、キャラ移動の設定が少し細かいのが気になります。
このままだとウディタ初心者には開発がやりにくく感じそう。単純化するため、移動の設定を変えてみます。
ウディタのEditor.exeを選び、エディターを起動します。
メニューから「ゲーム設定」>「ゲーム基本設定を開く」をクリック。
以下の部分を、それぞれ変更してください。
- キャラクター移動可能方向を、8方向→4方向
- デフォルトのキャラクター移動幅を、0.5マス→1マス
変更したら、「OK」ボタンを押します。
これでキャラクターが斜め方向に移動しなくなり、上下左右の移動のみに制限されます。また、移動幅もマス1つ分に変わります。
試しにサンプルゲームをプレイしてみてください(エディターのアイコンメニュー、右端の「テストプレイ開始」からプレイできます)。
サンプルゲームでキャラクターを操作すると、斜め方向や半マスの移動が無くなっているはずです。そうなっていれば大丈夫。
ゲームを閉じて、開発を進めましょう。
オリジナルのマップを作ろう
サンプルゲームには触らず、自作のオリジナルマップでイベントなどを作っていきたいと思います。
新規でマップを作ってみましょう。
システムデータベースにマップ登録
エディターのアイコンメニューから、「システムデータベース」をクリック。
画面左の「タイプ」を見て、「0:マップ設定」が選択状態になっているのを確認。
「データ」の欄に、サンプルゲームの各マップが登録されています。0~3まで登録されていますので、データ数は全部で4です。
このままだと新しいマップを登録できないため、データの数を増やします。
データの欄の一番下、「データ数の設定」をクリック。
データ数が4になっていると思います。
今回は適当に10へ増やしてみましょうか。「10」を入力してOKを押すと、データの欄が0~9に増えているはず。
次に、空欄になっている4~9のどれかに新規マップを登録します。
サンプルゲームのマップと区別したいので、見やすいようにとりあえず4を空白行にし、5に登録してみましょう。
5を選択して、IDの欄にマップ名を入力。今回は、「オリジナルマップ01」にしてみました。
最後に「OK」を押して、変更を保存します。
「マップ選択」画面を更新する
システムデータベースにマップ登録した後、「マップ選択」の画面を見ます。
マップ選択画面が出ていない場合は、アイコンメニューから「マップ選択」をクリック。
これで画面が開くはずです。
「データ更新」の部分をクリック。先程登録した「オリジナルマップ01」が出てきました。
このマップ選択画面で、編集するマップの切り替えができます。便利な機能なので、ぜひ覚えておきたいですね。
マップを追加したり削除したら、その都度データ更新する癖をつけておいてください。
マップファイルを作る
システムデータベースに登録しただけだと、新しいマップはまだ出来ていません。実際のマップファイルを作る必要があります。
アイコンメニューの左端、「新しいマップを作成」をクリック。
「マップの新規作成」の専用画面が登場します。
MapDataとは、ウディタのDataフォルダ内にあるフォルダ名です。作成したマップファイルの保存先として、フォルダ名を指定します。
.mpsの部分でファイル名を決めます。今回はシステムデータベースと同じ「オリジナルマップ01」にしました。自由につけて構いませんが、半角英数でつけるのが良いんじゃないかなと思います。今回は面倒なので日本語表記で。
マップサイズも好みで。今回はデフォルトよりも少し大きく変更。
タイルセットとは、マップ作成で使う画像ファイルのことです。たとえば「街」を選択すると、街のマップを作るのに最適な画像ファイルを使えます。
登録先を決めます。「登録する」のボックスにチェックを入れます。すでに入っているならそのままで。
続いて先程作業して登録した、システムデータベースの「05:オリジナルマップ01」を選びましょう。
登録名が自動で出てくるはずです。
その他にもマップのBGMなど、色々設定できます。ただ、まだ最初だし別に良いやってことで今回は無音にしておきました。
後からいくらでも変更できる部分ですから、ウディタに慣れてきたときにでも、適当に設定してみてください。
【マップ設定の変更方法】
変更したいマップを表示させた後、アイコンメニューから「マップの基本設定」をクリックすれば設定画面を開くことができます。
最後にOKボタンを押せば、マップファイルの作成は完了です。
マップファイル→システムデータベースの順番でもOK
ここまでの解説では、先にシステムデータベースでマップ登録し、次にマップファイルを作りました。
実はこの順番、逆でも問題ありません。先にマップファイルを作り、システムデータベースに登録でも良いんですね。マップの新規作成画面の登録先の部分からも、システムデータベースに登録できます。
自分にとって作りやすい順番でやってみてください。
レイヤーを使いこなしてマップに画像を配置する
これが一番楽しいかもしれません。イベントなんていいから、マップ作りだけで遊んでしまおうというのもありかもですね~。
街やお城、ダンジョンなどの内部や外観を作るために、マップチップという画像をレイヤーに並べて作ります。
レイヤーとは?
レイヤーとは、複数の層になった画面のようなものです。
1枚目が一番下、3枚目が一番上、そして2枚目が1枚目と3枚目の間にある層です。それぞれのレイヤーは、下が透けて見えるようになっています。
レイヤー画面の切り替え方法
アイコンメニューにある、1~3の部分をそれぞれクリックするだけ。
よく使うボタンなので、しっかり覚えておきましょう。
レイヤー1にマップチップを配置
レイヤー1枚目は一番下の層で、土台のような存在です。真っ黒な画面にマップチップを貼り付けていきます。
地面や床を敷いたり、建物の壁を配置したりするのに適していますね。
それでは実践。
まず、アイコンメニューの「レイヤー1」をクリック。
レイヤー1が選択された状態で、マップチップ画像を配置します。
マップチップがたくさん並んだタイルセット画面が自動的にあらわれるので、使いたい画像をクリックして選択状態にします。後はポチポチとエディターの画面に貼っていきましょう。
マップチップの配置が気に入らなければ、マップチップの左上角にある、黒いマップチップで塗りつぶしてください。この黒いマップチップは透明の扱いなので、何もない状態に戻せるんですね。
アイコンメニューから、マップチップの描画方法を変えられます。
鉛筆ツールは1マスずつマップチップを置く基本の機能です。その他、画面全体を塗りつぶし、選択範囲内を塗りつぶし、ランダムなマップを作るマップ自動生成が用意されています。
いろいろいじってみて、好きなようにマップを作ってみてください。
今回はとりあえず、適当に草の地面を描いて、その地面を囲うように水を配置してみました。ついでにカウンターみたいなものを。この中に人を配置しようかな。
草の地面の上は、キャラクターが通行できます。水の部分は通行できません。
通行できるかどうかは各マップチップの情報があるので、それを参考に。
マップチップを選択状態にすると、画面の上に情報が出てきます。そこを見れば判明します。
レイヤー2にマップチップを配置
レイヤー2には、下のレイヤー1の画像を透かした状態でマップチップを配置できます。
アイコンメニューから「レイヤー2」を選択。この状態でマップチップを貼ってみましょう。
とりあえず樽のマップチップを、カウンター内の床に置いてみます。
とても自然な見た目です。
もし、この樽をレイヤー1に配置してみたらどうなるでしょう?
樽の周囲の黒い部分がバッチリ出ちゃっていますね。狙ってやる場合を除いて、この手の配置方法は避けるのがベストです。
レイヤー3にマップチップを配置
レイヤー3もレイヤー2と同じように扱えば大丈夫。レイヤー2に配置したマップチップの上に重なるよう、配置する使い方が一般的です。
マップの完成
しょぼいですが、一応マップが完成。樽をわかりやすくするため、床の種類を変えてみました。こんな風に何度でもレイアウトを編集できます。
ゲームを作りながら都合が良くなるように、ちょこちょこマップを改造してみてください。
マップを保存する
作成したマップファイルを保存しましょう。アイコンメニューの「上書き保存」を押すだけで完了。
これでウディタを終了しても、変更が維持された状態から再開できます。
なので、作業するときにはマップをこまめに保存するのがおすすめです。
次回の講座は?
今回の、やさしいウディタ講座1はここまで。
次回「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方」では、今回作ったマップを利用して、簡単なイベントを作ります。
※全講座の目次ページはコチラ。