無料のゲーム開発ツール「ウディタ(WOLF RPGエディター)」の基本的な使い方を、初心者さん向けに紹介するこの企画。
今回は、「ウディタのお金の単位を変える方法」そして「お金の単位をゲーム画面に表示する方法」の2つを解説します。
現在公開中の講座をまとめたページ。「ウディタのことがよくわからない」「簡単な機能から覚えたい」などの初心者さんは、初期の講座から読むのがおすすめです。
公式サイトにはウディタの使い方を詳しく解説している、マニュアルやガイドが公開されています。ウディタを学ぶ際の必須となる教科書です。ぜひ参考にしましょう。
目次
ウディタの「お金の単位」について
ウディタの「サンプルゲームData」もしくは「空データ基本システム入りData」でゲーム開発している場合に関係するんですが、ウディタの基本システムには最初から「お金の単位」が設定されています。
試しに、テストプレイでゲーム画面を表示してみましょう。
キーボードのXキーを押すと、メニュー画面が登場。画面左下に「所持金」の情報があります。
所持金の横に「ゴールド」と書かれていますよね?これが「お金の単位」です。
お金の単位とは、日本の「円」、アメリカの「ドル」、EUの「ユーロ」と同じ意味。単位を見れば、その数字がお金をあらわしているんだと、誰にでもわかる目印のようなものです。
ウディタの場合、以下のようなシーンでお金の単位が表示されます。
- メニュー画面の所持金。
- 戦闘イベントでお金を入手。
- お店イベントで売買する。
で、ウディタのお金の単位はゴールドなんですけど、あくまでも初期設定での話。
実はこれ、好きな単位に変えられるんです。
お金の単位を変更する手順
ユーザーデータベースの「用語設定」で変更する
ウディタのエディターを起動しましょう。
上に並ぶメニューアイコンから、「ユーザーデータベース」を選択。
画面左上にある「タイプ」の一覧部分を下へスクロール。「15 用語設定」を選んでください。
画面の右側に、たくさんの項目が並んでいます。
並んでいる項目は、メニュー画面とかキャラの能力値とか、ゲーム内で使われる各機能の名前です。この設定画面で好みの名前をつけられるんですね。
ページ1の下の方を見てください。
[18]の行に、[ステータス]お金の単位が見つかるはず。ここに入力した名前が、ゲームのお金の単位として使われます。デフォルトだとゴールドになっていますね。はじめにテストプレイをしたとき、メニュー画面の所持金の他、戦闘勝利の報酬にゴールドの単位が表示された理由はコレ。
好きなお金の単位にするには、ここの文字を変えれば良いだけです。カタカナの他、ひらがな・漢字・アルファベットなどを入れられます。
今回は「円」にしてみましょう。元々あるゴールドを消して円を入力。
作業が終わったら、画面下にあるOKボタンをクリック。内容を保存します。
テストプレイで単位の変化を確認
本当にお金の単位が変わったのか?テストプレイで調べてみましょう。
テストプレイボタンを押してゲームを起動した後、Xキーでメニュー画面を開きます。
所持金の単位が「円」に変わっています!無事に成功。
ついでに戦闘イベントもチェック。
勝利後に獲得するお金の単位が、きちんと円の表示になっています。
お金の単位は何度でも変更可能。変えたくなったら「ユーザーデータベース」の「15 用語設定」を開き、ちゃちゃっと作業しましょう。
お金の単位を変えても「反映されない部分」に注意
上の方法を使えば、簡単にお金の単位を変えられるのがわかりました。ただ、ユーザーデータベースの設定でお金の単位を変更する場合、気をつけたいポイントがあるんです。
ユーザーデータベースで設定できるお金の単位は、「ウディタが予め用意している機能のみ」に反映されます。
「予め用意している機能」とは、以下のようなものです。
- メニュー画面の所持金。
- 「戦闘」「お金の増減」「お店」など、ウディタが用意するコモンイベント。
これらで表示されるお金の単位については、データベースで変更したものが自動的に反映される仕組みになっているので問題なし。
一方、「自分自身で入力した部分のお金の単位」には反映されません。ユーザーデータベースで単位を変えても、入力した内容がそのまま残ってしまうんですね。
つまりどういうことなのか?
イベントコマンド「文章の表示」を例に説明してみます。
事前にユーザーデータベースのお金の単位を「円」に変更して保存します。
次に、相手からお金を渡されるイベントで、以下のようなセリフを作ってみました。
ポイントは「200ゴールド」の部分。お金の単位が手打ちです。
この手打ちの単位については、ウディタ側が自動で判別できません。なので、自分でこの部分を書き換えない限り、ずっと古いお金の単位が残ってしまうんです。
ユーザーデータベースで設定した、お金の単位は「円」。しかし、手打ちの「ゴールド」がそのまま表示されてしまう。
修正箇所が少なければ良いんですけど、
- 手打ちした箇所が多い。
- どこに入力したのか忘れてしまった。
こんな状態だと、地獄の修正作業が待っています…。
困った問題ですが、解決する手段が存在するので大丈夫!
「特殊文字」を使えば対策できます。
ゲーム画面にお金の単位を表示する方法
「特殊文字」を使ってお金の単位を自動表示させる
特殊文字とは、ウディタの変数やデータベースの中身を画面に表示させる機能です。
ウディタ公式マニュアルの「特殊文字一覧」にも記述方法が紹介されています。
もちろん、ユーザーデータベースにある「お金の単位」も該当します。
使い方を解説しましょう。
以下が、ユーザーデータベースの特殊文字です。半角英数字で記述します。
¥udb[0:0:0]
「¥udb」の部分ですが、これは「ユーザーデータベース」をあらわす記述。
[0:0:0]には、ユーザーデータベースの「タイプ番号:データ番号:項目番号」の数字をそれぞれ記述します。
「お金の単位」を設定する場所を思い出してください。
ユーザーデータベースのタイプ「15 用語設定」にありましたよね?
ですので、タイプ番号の部分に「15」を入力すればオッケー。
¥udb[15:0:0]
次に、「15 用語設定」の「データの部分」を見ます。
「0:用語基本設定」を選択すると、お金の単位を設定する画面が表示されます。ですので、データ番号の部分に「0」を入力。
¥udb[15:0:0]
最後に、項目を見ます。
[ステータス]お金の単位の行に[18]と書かれています。これが項目番号です。
よって、項目番号の部分に「18」を入力。
¥udb[15:0:18]
特殊文字が完成しました!これをそのまま文章の表示に入れます。
「200ゴールド渡すから」の部分で、ゴールドを削除。
替わりに¥udb[15:0:18]を入力。
コマンド入力後、セーブしたらテストプレイを開始。
話しかけると…200円と単位が表示されました!
「円」の表示部分が特殊文字を入れた場所。ユーザーデータベースで設定した「円」が、特殊文字に反映されているのがわかる結果です。
【実験】お金の単位の設定を変更後、特殊文字の表示はどうなる?
特殊文字を使えば、ユーザーデータベースの「お金の単位」をゲーム画面に表示できる。
この仕組みがわかったところで、ちょっとした実験をしてみましょう。
ユーザーデータベースのお金の単位を変えてみます。
円を「マネー」に変更。
内容を保存して再びテストプレイ。
話しかけると…200マネーに単位が変わっています!
特殊文字を記述しておけば、文章を修正しなくてもお金の単位表示を変えられるのが、わかったと思います。
ウディタのゲーム開発がぐっと楽になりそうですね。
次回の講座は?
やさしいウディタ講座18はここまで。
次回「やさしいウディタ講座19:商品を売買できる「お店」を作ろう」では、ウディタが用意するコモンイベントで簡単にできる「お店の作り方」について解説します。
※全講座の目次ページはコチラ。