無料のゲーム開発ツール「ウディタ(WOLF RPGエディター)」の基本的な使い方を、初心者さん向けに紹介するこの企画。
今回は、所持金を増やしたり減らしたりする方法について解説します。宿屋に泊まるとき、アイテムを購入するときなど、RPGのあらゆる場面で使われるお金。ウディタのイベントコマンドを使って、今持っているお金を増減させてみましょう。
現在公開中の講座をまとめたページ。「ウディタのことがよくわからない」「簡単な機能から覚えたい」などの初心者さんは、初期の講座から読むのがおすすめです。
公式サイトにはウディタの使い方を詳しく解説している、マニュアルやガイドが公開されています。ウディタを学ぶ際の必須となる教科書です。ぜひ参考にしましょう。
目次
ウディタの所持金ってどこを見ればわかるの?
ゲームのメニュー画面を開けばわかります。
サンプルゲームの他、基本システム入りのDataを使って、とりあえずテストプレイ。ゲーム画面で「キーボードのXキー」を押してみてください。
メニュー画面が登場するはず。
画面左下に表示されているのが所持金です。
「現在、主人公キャラが持っているお金はいくらなのか?」プレイヤーはここを見ればすぐにわかります。
ウディタでお金を増やすには?減らすには?
ウディタのサンプルゲームや基本システムのDataで開発する場合、予め用意されているコモンイベント「バトルの発生」を利用すればできます。
倒した敵からお金を入手する機能が、このコモンイベントに備わっているからなんですね。
戦闘イベントの作り方は「やさしいウディタ講座8:敵と戦うイベントを作ってみよう」を参考にどうぞ。
また、お店のイベントを作ってアイテムや武器・防具を買えば、所持金を減らすこともできます。
しかし、上の方法だけでお金の増減を決めるというのも、何だかつまらない感じがします…。
- 宝箱からお金を入手する。
- 親からお小遣いをもらう。
- スリに財布を盗まれる。
などのイベントで所持金を増減できたら、もっとゲームの表現の幅が広がりそうですよね?
そんなときに使えるのが、コモンイベント「お金の増減」。
戦闘やお店の機能を使わなくても、所持金を増やしたり減らしたりできる、便利な存在です。
コモンイベント「お金の増減」によって、どんな感じのイベントに仕上がるのか?以下で実際にイベントを作ってみます。
調べたら所持金が増える・減るイベントを作ってみよう
マップイベントを2つ作る
目の前にある物体を調べたら、「お金が増える」または「お金が減る」マップイベントを作ってみましょうか?
マップイベントを設置するためのマップ作りから開始。
調べる対象として、「タンス」と「ツボ」の画像を使ってみます。マップに馴染むよう、レイヤーにマップチップを並べて配置。
こんな感じで。
マップの作り方は「やさしいウディタ講座1:マップを作ってみよう」を参考にどうぞ。
続いて、タンスとツボの上に、それぞれマップイベントを作っておきます。
タンスとツボのイベント画面は以下のとおり。どちらも同じ内容です。
- マップ作成時にマップチップで画像を設置済みなので、グラフィックは無しに。
- 移動ルートは「動かない」で。
- 起動条件は「決定キーで実行」。決定キー(Enter)で調べたときにコマンドを実行させます。
マップイベントの作り方は「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方」を参考にどうぞ。
ここまでやったら、セーブしましょう。
コモンイベント「所持金の増減」を使う
主人公キャラの所持金を増やす・減らす方法として、コモンイベント「所持金の増減」を利用します。
ウディタの制作者さんが最初から用意してくれているイベントです。サンプルゲームのData、もしくは基本システム入りの空Dataで開発している場合に利用できます。
このコモンイベント「所持金の増減」を、先程作ったマップイベント「タンス」と「ツボ」に使ってみましょう。それぞれの内容は以下のとおりです。
- タンス:調べるとお金が増える
- ツボ:調べるとお金が減る
主人公キャラがタンスまたはツボに向かって決定キー(Enter)を押したときに、所持金を変化させます。
タンス:お金を増やすコマンドを入力する
最初に「タンス」のイベントを作ってみます。
マップイベント画面右側にあるコマンド欄の空白行をダブルクリック、もしくはコマンド入力ウィンドウ表示ボタンをクリック。
イベントコマンド画面の一覧から、「I コモンイベント」を選択します。
画面右側で設定を行います。「イベントの挿入」をチェックした状態で、横のプルダウンメニューをクリック。メニューから「コモン3:○お金の増減」を選びます。
続いて少し下にある、【コモンEv入力(数値)】の部分に注目。
「お金の増減値」と書かれた部分で、増減させる金額の設定が可能です。
タンスを調べると「お金が80増える」内容にしましょうか。半角数字で「80」を入力。
その下の「入手メッセージ」ですが、この項目を「1:あり」に設定すると、お金が増えたときに入手用の文章をウィンドウに表示してくれます。
文章を自分で作りたい、文章の表示は不要という場合には、「0:なし」を選んでください。
今回は入手メッセージを「1:あり」に設定。
最後に入力ボタンをクリック。マップイベント「タンス」のコマンド欄にコモンイベントが入力されていれば大丈夫です。
セーブボタンを押し、内容を保存。これでマップイベント「タンス」の完成です。
ツボ:お金を減らすコマンドを入力する
上のマップイベント「タンス」と、ほぼ同じ流れで作れます。違うのはお金をマイナスにする部分。
コモンイベント「コモン3:○お金の増減」の設定で「お金の増減値」に、マイナスの値を入れましょう。
例えば50減らしたいなら、「-50」と入力すればオッケー。記号と数字は半角にしてください。
問題なければ、入力ボタンを押して終了。
マップイベント「ツボ」のコマンド欄を見て、コモンイベントの表示を確認しましょう。
問題無さそうならセーブして作業終了。マップイベント「ツボ」の完成です。
テストプレイで確認
「タンス」と「ツボ」のイベントがうまく動くかどうか、テストプレイしてみましょう!
テストプレイのために主人公キャラの初期位置をこのマップにする場合、「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方 – 主人公キャラを自作マップ上で操作できるようにする」を参考に、作業してみてください。
Xキーを押してメニューを開きます。何もしていないので、当然ながら所持金は0ゴールドです。
最初にタンスを調べてみます。決定キー(Enter)を押すと、「80ゴールドを手に入れた。」の文章が表示されました。
メニュー画面を開いてみましょう。80ゴールドに増えていますね!
次に隣のツボを調べます。決定キー(Enter)を押すと、「50ゴールドを失った。」という文章が表示されました。
再びメニュー画面をチェック。30ゴールドに減っています!
タンスを調べた後の所持金は80ゴールド。次にツボを調べて50ゴールド減ったので…
80-50=30
所持金の残りは30ゴールドってわけ。うん、合っています。
コモンイベント「お金の増減」がきちんと機能している証拠です。
次回の講座は?
やさしいウディタ講座16はここまで。
ところで、今回作ったお金の増減イベント。一見すると問題無さそうですが、「これ以上はお金を増やしたくない」「文章表示に不自然な点がある」など、もう少しどうにかしたいと思える部分がポツポツと見つかります。
そこで次回「やさしいウディタ講座17:現在の所持金を取得する方法をイベントで活用」では、もっと自然なイベント内容へと仕上げるのに活用できる、「現在の所持金をデータとして取得する方法」を解説します。
※全講座の目次ページはコチラ。