無料のゲーム開発ツール「ウディタ(WOLF RPGエディター)」の基本的な使い方を、初心者さん向けに紹介するこの企画。
今回は、選択肢の作りかたをやってみましょう。プレイヤーに選ばせることのできる、複数のテキストを画面に表示できます。
現在公開中の講座をまとめたページ。「ウディタのことがよくわからない」「簡単な機能から覚えたい」などの初心者さんは、初期の講座から読むのがおすすめです。
公式サイトにはウディタの使い方を詳しく解説している、マニュアルやガイドが公開されています。ウディタを学ぶ際の必須となる教科書です。ぜひ参考にしましょう。
目次
ウディタの選択肢コマンドを使ってできること
ウディタのコマンド「選択肢」とは、専用のウィンドウに表示される複数の項目の中から、プレイヤーの意思で選べる機能です。
- 相手に話しかけると、質問された。
- スイッチを押すかどうかの決断を迫られる。
…なんてときの、返答や判断に使えるでしょうか。
選択肢の中からいずれかの項目をプレイヤーが選ぶと、その項目専用に入力したコマンドを実行させることが可能。
「その項目を選んだときだけ読める文章」、「項目ごとに異なる変数操作を行い、シナリオを分岐させる」など、工夫次第で何でもできます。
この機能を活かせば、表現豊かなゲームを作れそうですね。
選択肢を表示するイベントを作ってみよう
マップイベント作成~選択肢のコマンド入力まで
選択肢でどんな感じのイベントが作れるのか?実際にやってみましょう。
準備として適当なマップを作り、適当な場所にイベントを設置してください。
マップの作り方は「やさしいウディタ講座1:マップを作ってみよう」を参考に。
マップイベントの作り方は「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方」を参考に。
今回は、「ニワトリさん」という名前のマップイベントを作ってみました。
- 管理しやすい名前をつけてみましょう。今回の例では「ニワトリさん」に決定。
- グラフィックから好みの画像を選択。
- 移動ルートは「動かない」。
- 起動条件を「決定キーで実行」に。
続いて、コマンドの入力です。
マップイベント「ニワトリさん」のコマンド欄をタブルクリック。もしくは、コマンド入力ウィンドウ表示ボタンをクリック。
さっそく選択肢のコマンドを入力したいところですが、その前の演出として、ニワトリさんに質問のセリフを喋ってもらいましょう。
コマンド入力画面左側の一覧から、「1 文章の表示」を選択。
好きなセリフを打ち込みます。例として、「好きな料理のジャンルを教えてください」という質問内容にしてみました。
文字を打ち込んだら入力ボタンを押して終わり。
続いて今回の主役、選択肢の入力です!
イベントコマンド一覧から、「2 選択肢」を選びましょう。
画面右側に注目。ここで選択肢に関わる、細かな設定ができるんですね。
「分岐1」の入力欄から1つずつ、選択肢の項目にしたい内容を打ち込んでみてください。
今回はニワトリさんの質問、「好きな料理のジャンルを教えてください」に合わせて…
- 和食(分岐1)
- 洋食(分岐2)
- 中華(分岐3)
以上、3つの料理ジャンルを入力。
作業が終わったら、入力ボタンを押します。
それぞれの選択肢にコマンドを入力する
マップイベント「ニワトリさん」のコマンド欄を見てください。「和食」「洋食」「中華」それぞれの選択肢の直後が、空白行になっています。
この空白行にはコマンドを入力できます。項目を選択した後に実行させたい、好きなコマンドを入れましょう。
とりあえず今回は簡単な例として、文章コマンドを入れてみました。
最後にセーブして保存。イベントの完成です!
テストプレイで確認
先程作ったイベントがうまくできているのか、テストプレイで調べてみます。
テストプレイのために主人公キャラの初期位置をこのマップにする場合、「やさしいウディタ講座2:人を配置・看板を調べるイベントの作り方 – 主人公キャラを自作マップ上で操作できるようにする」を参考に、作業してみてください。
「ニワトリさん」に決定キー(Enter)で話しかけると…。
文章コマンドが表示された後、選択肢が出てきましたね。
各選択肢を選ぶと、個別の文章コマンドが表示されます。
「和食」を選択した場合。
「洋食」を選択した場合。
「中華」を選択した場合。
今回は文章コマンドでやりましたけど、変数操作、条件分岐、場所移動など、コマンドなら何でも入れられます。自由にいじってみて、結果がどうなるか試してみましょう!
選択肢画面に用意されている各機能について
基本的な選択肢の使い方については、上で解説したとおりです。
この他にも、たくさんの機能が選択肢の設定画面に用意されています。自分の知識の範囲に限りますが、各機能について解説してみましょう。
選択肢に変数を表示できる
分岐先の各項目には、特殊文字を入力できます。特殊文字とは、通常変数や文字列変数など、変数の中身をゲーム画面に表示する機能のことです。
変数を特殊文字で記述する方法については、ウディタ公式マニュアルの「特殊文字一覧」が参考になります。
設定画面にも説明が書かれていますけど、選択肢を空白にした場合、その項目はゲーム画面に表示されません。
この空白の仕組みと、変数を組み合わせたテクニックを紹介しましょう。
特殊文字で入力した文字列変数に、最初は何も入れないでおきます。その後、好きなタイミングに文字列操作で好きな文字を代入。結果、選択肢に新しい項目が増えるという内容です。
※分岐4(上から4番目)に「文字列変数」の特殊文字を入力。文字列変数に何も入っていない場合は空白とみなされ、分岐4の選択肢が表示されない(分岐1~3のみ表示)。
※文字列変数に文字を代入した場合。特殊文字で入力した分岐4の選択肢(上から4番目)が表示される。
変数の中身を変える方法については、「やさしいウディタ講座6:変数の中身を変えるときの基本ルール」を参考にどうぞ。
キャンセルボタンを押した場合にどうするのか決める機能
・キャンセル不能:プレイヤーが必ずいずれかの選択肢を選ばないと、先に進めないようにする機能です。
・キャンセル分岐先:分岐ボタンを押して設定。キャンセルボタンを押した場合に、設定した分岐先が自動的に選ばれます。
・別分岐:キャンセルボタンを押したときだけ実行する、専用分岐先を作れます。
キー入力による分岐
「右キー」と「左キー」から選べます。チェックを入れることで利用可能。
選択肢ウィンドウが画面に表示されている状態で、チェックを入れた方向へ矢印キーを入力した場合の専用分岐先を作れます。
「強制中断分岐」について
プレイヤーが選択肢を選んでいなくても、強制的に選択肢ウィンドウを閉じて終わらせる機能です。
別のイベントから強制中断を実行した後、この分岐先が選ばれます。
※強制中断のコマンドを、「別イベント」で実行。
※「選択肢イベント側」のコマンド欄。強制中断のコマンドが実行されると、「強制中断された場合」の分岐先へと進む。
少し難しい方法なので、ウディタ中級者~上級者向けのコマンドだと思います。
次回の講座は?
やさしいウディタ講座15はここまで。
次回「やさしいウディタ講座16:お金を増やす・減らすイベントの作り方」では、所持金を増減させるやり方について解説します。
※全講座の目次ページはコチラ。