パソコン操作でコピペだとかを繰り返すのに、マウスで右クリックからの選択が結構めんどくさい。キーボードのショートカットキーでも良いけど、片手一発でできないものかと悩んでいたときがありました。
そこで思いついたのが、「全く使っていないマウスのサイドボタンに機能を割り当ててしまえば良い」という考えです。
パソコンマウスの基本構成といえば、左右のクリックボタンと中央のホイール。ただ、そこそこ安い製品でも3つ以上のボタンがついているマウスが売られています。
たくさんボタンがあるのは嬉しいんですけど、「左右のボタンとホイール以外は全然使わないんだよな」という場合に活かせるのが、マウスボタンのカスタマイズ。
そのカスタマイズに、Windows対応のフリーソフト「X-MouseButtonControl」が使えます。
マウスメーカー専用のソフトではないので、あらゆるメーカーのマウスに使えるのがメリット。柔軟な設定に対応するのも魅力です。
マウスボタンをカスタマイズすれば、右クリックからメニューを開いたり、ショートカットキーを使わずとも一瞬でやりたい操作が完了します。
便利なフリーソフト「X-MouseButtonControl」の導入から基本の使い方まで紹介しましょう。
目次
「X-MouseButtonControl」を導入する手順
公式サイトからダウンロード
X-MouseButtonControlの公式サイトからソフトをダウンロードします。利用は無料。Windows XP以降のOSに対応するソフトです。
海外サイトですが、やることは単純なので大丈夫。
「Download」の項目にある、「Latest version」と書かれたリンクをクリック。自動的にダウンロードが始まります。
滅多に無いでしょうが、アクセスが集中している、サーバーに障害が発生しているなどでダウンロードできない場合もあります。上手くできなければ、Latest versionの隣にある「mirror」のリンクで試してみてください。
下の「Portable version」はポータブル版のことで、USBメモリなどにソフトを保存し、使い回したいときに便利な玄人向けのバージョンです。
普通の使い方ならパソコン1台ごとにソフトをインストールする、Latest versionをおすすめします。
パソコンにインストールする
ダウンロードしたexeファイルを起動します。インストーラーが立ち上がったら、画面の指示に従ってどんどんボタンを押して進めてください。英語ですけど難しく考えなくて大丈夫です。
License Agreementは利用規約についての内容です。「I Agree」を押して同意します。
Choose Install Locationでは、インストール場所の指定ができます。特にこだわりがなければ、既に入力されている場所のままにします。「Next」を押して先に進みましょう。
X-MouseButtonControlの設定画面でカスタマイズする
設定画面を開く
インストールが終わったらソフトを起動します。
普通にX-MouseButtonControlをインストールすると常駐ソフトとして実行するので、Windowsの立ち上げのたびにソフトを手動で起動する必要がありません。
ソフトの管理画面の開き方ですが、Windows画面下のタスクバーにあるインジケーターにアイコンが表示されていると思います。
インジケーターのマウスアイコンを右クリックし、出てきたメニューから「Setup」を選んでください。X-MouseButtonControlの設定画面が表示されます。
日本語の表示に切り替える
デフォルトだと英語の画面で使いにくいので、日本語に変えてみましょう。
設定画面の左下あたりにある、「Settings」をクリック。
画面上部のタブから「Language」を選んだら、プルダウンメニューで「日本語(Japanese)」を選択。画面下の「OK」を選びます。
最初の設定画面に戻り、画面下の「Apply」をクリックすれば日本語の設定は完了。
一度ソフトを終了して、インジケーターのアイコンを右クリックしてください。日本語メニューに変わっているはずです。
「設定」を選べば、日本語の設定画面が開きます。
マウスボタンに好きな機能をつける
設定画面から、マウスの各ボタンに好きな機能を付けてカスタマイズします。
画面右側に、「左ボタン」「右ボタン」などがずらりと並んでいます。ここで作業しましょう。
「変更しない(インターセプトしない)」は、マウスのデフォルト設定を意味します。
マウスによって利用できるボタンは違います。自分の使っているマウスを見ながら、対応するボタンをカスタマイズしてみてください。
「中ボタン」というのは、ホイールの押し込みで反応するボタンのことかと思います。カーソル速度を変更するDPIボタンはカスタマイズできません。
「ボタン4(戻る)」と「ボタン5(進む)」は、ページ表示を1つ戻すもしくは進める機能を持ったボタンです。多くのマウスで親指側にある2つのサイドボタンが、この機能に対応しています。
ホイールの上下回転は画面スクロールで頻繁に使うヤツですね。チルトとは、ホイールを左右へ傾けたときに反応するボタンのことです。
左ボタンの左クリック機能、右ボタンの右クリック機能は通常よく使う機能ですから、カスタマイズ向きではないと思います。中ボタンと4と5のボタンあたりが、カスタマイズしやすいかもしれません。
例として、マウスのサイドにある2つのボタンに、「コピー」と「ペースト(貼り付け)」の機能を割り当ててみましょう。
各ボタンのプルダウンメニューから、利用したい機能を探して指定します。
設定を終えたら、画面下部の「適用」ボタンを押しましょう。デフォルト設定に戻したくなった場合、プルダウンメニューから「変更しない(インターセプトしない)」を選べば良いだけです。
選べる機能は豊富です。
「切り取り」「Enter」「スクリーンショット」「仮想デスクトップを開く」「音量の上げ下げ」「エクスプローラーを開く」など、他にもたくさんあります。OSが用意している機能を一通り利用できる感じがしますね。
動作を試しながら、自由にカスタマイズしてみてください。
X-MouseButtonControlの便利な機能
上で説明した方法だけでも十分使えると思いますが、マウス操作をより深くカスタマイズしたい場合に役立つマニアックな機能も、X-MouseButtonControlに用意されています。
レイヤー機能でカスタマイズ内容を切り替える
X-MouseButtonControlのマニアックな機能の中でも、特に便利な「レイヤー機能」について、簡単に紹介します。
レイヤーとは、状況によってカスタマイズ設定を変更できる機能です。
- 【レイヤー1】:4と5のボタンに「コピー」と「貼り付け」を割り当て。
- 【レイヤー2】:4と5のボタンに「音量を上げる&下げる」を割り当て。
以上のようにレイヤーの切り替えだけで、ボタンの役割を変えられるのがメリット。
最大10個までレイヤーを増やすことが可能です。
レイヤーを増やす方法
デフォルトでは2つのレイヤーが既に存在します。3つ以上に数を増やしたい場合、設定画面の左下にある「共通設定」をまず開きましょう。
共通設定のタブ「一般」を開き、画面下のほうにある「レイヤー数」の項目で、使用するレイヤーの数を変更できます。
設定画面に戻ると、レイヤーの表示数が増えています(今回の例では2から4に変更してみました)。
後はレイヤーのタブを切り替えて、それぞれマウスボタンのカスタマイズをすれば良いだけです。最後に必ず適用ボタンを押し、設定を完了させましょう。
レイヤーの切替方法
各レイヤーの切替方法は複数用意されています。
1つめが、インジケーターのアイコンを右クリックしたメニューから切り替える方法。
特に設定をいじることなく、簡単にレイヤーの切り替えができます。ただ、頻繁に切り替えたい場合には作業が煩わしいと思うかもしれません。
2つめが、マウスボタンにレイヤー切り替えの機能をつける方法。
設定画面でマウスボタンをカスタマイズするのと同じ流れで設定できます。
3つめが、キーボードでレイヤーを切り替える方法。
キーボードの特定のキーを押して、各レイヤーに切り替えるというものです。頻繁にレイヤーを切り替える場合に便利かと。設定画面の「共通設定」を開き、「ホットキー」の画面で好きなキーを設定できます。
2つ以上のキーの同時押しで切り替える設定にしたい場合には、実際の操作と同じようにキーを押せばそのとおりに入力できます。
また、「修飾キー」を使った切替方法も利用できます。これも共通設定から指定できる機能です。
そのキーを押している間だけ特定レイヤーに切り替えが可能という、少し特殊なやり方です。複雑な操作をしたいときに便利かもしれません。
ボタンのカスタマイズでパソコン作業の効率化&疲労予防
X-MouseButtonControlでマウスボタンをカスタマイズすることによって、パソコン作業効率化&作業の疲労軽減に役立つでしょう。
レイヤーはやや上級者向けの機能です。慣れるまでは基本のカスタマイズ設定だけで試すのがおすすめ。
「カスタマイズしてパソコン作業が快適になったけど、こんな場面で普段とは違う動作をマウスボタンで実現したい」そんなふうに感じたときにでも、レイヤー機能を使ってみてください。