NECとかLenovoとかの有名メーカーのパソコンを使っている人ならあまり意識しないでしょうけど、BTOパソコンや自作パソコンを購入する際によく調べてから買えとすすめられるのが電源ユニットの品質。
電源ユニットはコンセントから流れてきた電気をパソコンの各パーツに送る役割を持ちます。
電化製品であるパソコンの場合、これがなければどんなに高性能なCPUやメモリを搭載したって動きません。
そんなパソコンの内部事情(?)を聞くと、高価な電源ユニットを買うのが普通なんだろうなと思いますよね。でも、個人的に電源ユニットに対する話って、過大評価気味になっているのでは?と感じるんです。
高品質を求めるよりも、「電源ユニットの寿命」と「適切な時期に交換する」この2つが大切ではないのかなと。
目次
高価な電源ユニットの条件「W数の高さ」
いくつか組み込まれているパソコンパーツをそれぞれ動かすには、各パーツが要求する電力(W・ワット)が必要です。
各パーツの合計W数の出力が可能な電源ユニットがあれば、パソコンを快適に使えるというわけ。W数が少なければパーツを動かす電力が足りず、電源が落ちてしまうでしょう。
基本的に電源ユニットのW数が高いものほど価格も高くなります。安いからといって、あまりにもW数の低い電源ユニットを選ぶのはよくないんですね。
特に、パソコンゲームや高度な3Dグラフィックの編集、動画編集などではマシンパワーが必要なので、多少高くても600W以上などのW数の大きな電源ユニットを選ぶ意味はあると思います。
一方で、オフィス系ソフトやウェブブラウザ、メールの送受信や写真加工・お絵かきソフトを使う程度であれば、低いW数でも余裕を持ってパソコンを動かせるでしょう。この辺の目安はBTOパソコンに組み込まれている電源ユニットを見ると参考になりそうです。
高価な電源ユニットの条件「電力変換効率が高ランク」
さらに電源ユニットの「電力変換効率」が、その品質と寿命に関わります。
50%よりも70%、70%よりも90%という風に、割合が高いものほど負荷がかかりにくく壊れにくいと言われるからです。
電力変換効率の良さをあらわす「80PLUS」のマークの付いている電源ユニットが推奨されています。80PLUSにはランクがあって、スタンダード・ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナム・チタニウムの順に効率が良くなります。
>>【関連記事】:PC電源ユニット80PLUS認証の意味とランクの違い
1万円から5000円以下の電源ユニットへ交換
…とまあ、ここまで一般的に言われている電源ユニットの品質について軽く触れてみましたが。
普通のパソコンの使い方であれば、そんなにこだわり過ぎなくてもいいんじゃないかなって話です。
少し前にパソコンの電源が急に落ちたという記事を投稿しました。
>>【関連記事】:暑さが原因?PCの電源が突然落ちるトラブル発生と解決までの記録
この時に使用していた電源ユニットは、とあるメーカーの550W80PLUSゴールドです。2015年に買ったもので、当時1万円くらいしました。
購入時はパソコンパーツのことなんてよく知らなくて(今もまったく詳しくありませんけど)、「電源ユニットの質が大事~」というネットの情報をある程度信じていました。そんなわけで、保険のつもりで少し高価な評判の良いメーカーの電源ユニットを購入したと。
で、2018年7月にパソコンの電源が突然落ちる不具合が出たので、電源ユニットの買い替えを決断。そのときに買ったのが玄人志向の500W80PLUSブロンズです。
価格は以前の商品の半額以下。購入した当時は5000円もしないリーズナブルな商品でした。
購入した時期がまったく違いますし、両者を単純比較するのは無理でしょう。
ただ、W数や電力変換効率だけを比較すれば、以前使っていた別のメーカーのほうが一般的に高品質な電源ユニットだと素人でも判断できます。5年保証付きでしたし、メーカー自身もそれなりに品質に対する自信を持っているとみてとれますよね。
価格差の違いなんてわからなかった
実際に電源ユニットを交換してみて感じたのは、「どちらも大差ない」ってことでした。
玄人志向の500W80PLUSブロンズで十分だわって感じです。
>>【関連記事】:素人でも扱える?玄人志向のPC電源に交換したけど品質ともに大丈夫そうです
電源ユニットを交換してまだそんなに時間がたっていないので、今後評価が変わってくるかもしれません。
でも、現時点だと以前の高価な商品のほうが快適な操作ができたとか、安い商品だと処理が遅いとか、そんなことはなかったです。音についてもそんなに変わらないかな。
自分が玄人志向の回し者なんてことはなく、以前使っていた高価な電源ユニットのメーカーが悪いとは全然思っていません。
お安い玄人志向よりもメリットのある部分は確かにありました。
ただ、冷静に考えて
「電源ユニットにそこまでお金をかける価値があるのかな?」
と個人的に少し疑問に思っただけです。
ちなみに自分が使っているパソコンのスペックですが、テレビゲームは好きだけどパソコンでプレイしないため、グラフィックボードを付けていません。オンボードでも十分って感じで、Core i5と8GBのメモリ、SSDとHDDを取り付けている程度。
詳しくはわからないけど、この構成なら500Wなんていらないかもしれませんね。一応、「大は小を兼ねる」のことわざを信じて買った感じです。
3年目に突入したらそろそろ電源ユニットの交換時期かも
自分が使っているパソコンの電源ユニットの調子が悪くなったのは、使い始めて3年半くらいたったころ(~年目の計算なら4年目半)です。
電源ユニットの寿命は平均して3~5年とされるので、ドンピシャなタイミングだったわけですね。
経験からして、「電源ユニットの寿命はパソコンが完全に壊れる(他のパーツもダメになる)のと同じ」なんて思わないほうが良いんじゃないのかなと。
他のパーツに比べて消耗が激しく、壊れやすい存在だと感じるからです。
電源に不具合が出ればパソコンを使えません。それだと困る人の場合、電源ユニットを使い始めてから3年目を交換の目安にしてみてください。
例えば2010年の1月から使い始めたなら、3年目の2012年1月にそろそろ買い替えを検討し、4年目を迎える前に交換する感じです。
3年目なんてまだたったの2年後だし、もっと使えそうに思うでしょう。5年以上平気で動いている電源ユニットだって普通に存在しますからね。
ただし、長く使えるのは運が良ければという条件付きです。
パソコンの不具合は突然やってきます。まだまだ頑張れそうでも余裕を持って新品に交換するのがおすすめです。
特に負荷のかかる作業を何時間もパソコンにやらせているなら、なおさらですね。
ヘビーユーザーなら毎年電源ユニットを買い替える気持ちでも良さそう。
電源ユニットの寿命の長さは性能の高さより
「毎日どのくらいパソコンを使い続けているのか?」
「パソコンに大きな負荷をかけているのか?」
のほうが深く関係しそうなので、交換するお金の節約のためにも明らかに安すぎる商品を選ばない限りは無理に高価な商品を選ばなくても大丈夫だと思います。
所詮、消耗品ですから。
>>【関連記事】:初めてでも交換できる!パソコン電源ユニットの基本的な取り付け方
別の部分にお金をかけてみる
そうは言ってもパソコンに深い愛情を注いでいる人がいるのも確か。
こだわりを持っている人は高価な電源ユニットを自分のパソコンにセットするだけでも、何だかワクワクしてきますよね。人生楽しくなるならそっちの選び方のほうが単純に実用で選ぶよりずっと良いです。
パソコンはあくまでも実用向け!という人なら、電源ユニットはそこそこのレベルに抑えても大丈夫でしょう。
余ったお金を他の部分にかけてみても良さそうです。HDDではなくSSDにしてみるとか、使いやすいキーボードやマウス、ディスプレイを選んでみるとか。
たぶんそっちのほうが快適にパソコンを使えると思います。